脳のすべて

脳のはたらきがこの世の中を作り出している

空気読めるAI

脳の神経細胞の仕組みを忠実に取り入れた人工知能のモデルに注目が高まっているのだそうで、NTTと東京大学の合原一幸特別教授らの研究チームは、光技術を応用して人工ニューロンのモデルを作成したのだそうです。

f:id:to5waka:20210710102725j:plain

脳の情報処理の消費電力は20ワットとされていて、その柔軟性も現行のコンピューターより優れており、2050年には省電力かつ、状況に応じて最適な情報処理方法を選ぶ「空気を読めるAI」が実現する可能性があるようで、この脳の仕組みを模倣できれば「省エネかつ高度な処理が可能なコンピューターを開発できる可能性がある」のだとか。

研究チームは今回、ニューロンの仕組みを模倣した数理モデル「スパイキング・ニューラル・ネットワーク(SNN)」を作成し、このSNNはスパイク信号の発生頻度やタイミングをもとに信号の強弱を表現し、情報を処理するのだそうで、脳により近い方法となります。

SNNを機械学習の分野に応用すると、低消費電力で時系列データの解析が得意なAIの実現が見込め、現在の機械学習で主流の深層学習のアルゴリズム(計算方法)をSNNに置き換えた多くの研究で、学習効率が高まる成果が出ています。

また、時系列データを処理する分野でも活躍しそうで、太陽光や風力による発電量予測などに役立つと予測され、天候などの時系列データをSNNに解析させることで、短時間で十分な精度の予測が期待できるのだとか。

とはいえ、気象においては恐らく過去のデータはほとんど無意味になりそうですから、あまり意味がないような気もしますよね。

そもそも観測している時代と現代では、人口や地球環境が大きく変化していますから、予測の意味がなさそうですけどね。

今後はニューロンの数をいかに大きくするかが焦点となるようで、今回作成したSNNのニューロンは最大256個で、今後1~2年で1万個に増やすと目標を掲げ、聴覚や嗅覚といった脳の一部の認知機能をシミュレーション(模擬実験)できるようになっていくのだとか。

その先にはカエルやネズミの脳並みとされる1億個が視野に入っているのですが、ただ今回のハード構成では実現が難しく、設計から見直す必要があるようで、ハード、ソフト両面の技術がそろうとみられる50年には「周囲の状況に適応し、最適な方法で情報を処理する高度なAIができる」と合原特別教授は期待する。いわば「空気を読めるAI」で、「脳型」と呼ばれるコンピューターが誕生しそう。